あれ?尿が出ない

薬の相互作用で起こることも
前立腺肥大でタムスロシンのような尿道を拡散する薬を服用して、しっかりと尿を出すようにしている患者さんが、胃痛を抑えるために市販の胃腸薬を服用すると、胃腸薬に配合されている成分である抗コリン薬が、尿道を収縮して、結果的に尿が出なくなってしまうことがあります。
このようなことは、胃腸薬だけでなく、鼻炎薬や風邪薬に含まれる成分によっても、起こり得ることがあります。
医療用医薬品同士や市販薬、食品との飲み合わせは、お薬手帳で確認できます。飲み合わせだけではなく、事前に基礎疾患の把握ができれば、服用すべきでない薬の確認も可能です。お薬手帳は常に携行し、受診時や医薬品の購入時などには医師・薬剤師に見せるようにしましょう。
なお、今回取り上げた抗コリン薬は、一部の緑内障の方にも注意が必要です。鼻炎薬を服用したら頭痛がひどくなった、物が見えにくくなったなどの経験をされた方は、眼科を受診することをおすすめします。
【2014.1.26掲載】