薬を飲んで授乳してもよい?

まず、医師、薬剤師に確認
ほとんどの薬は母乳中に分泌されて乳児が飲みますが、「母乳中に薬が移行する」ことではなく、「母乳中の薬により乳児に有害な作用が生じるかどうか」を判断の基準に考えます。しかし、実際にはそのような有害事象が生じた報告はわずかしかありません。
一方、母乳を中止し人工栄養に変更した場合の有害事象(アレルギーなど)の報告は多数見られます。薬が少し含まれていても、母乳の安全性は人工乳よりもはるかに勝り、むしろ、薬を使用しないことで母体の健康が維持できなければ、健康な育児が提供できず乳児の健康が脅かされる可能性もあります。
もしろん、抗がん薬、免疫抑制薬など毒性の強い薬や、検査の際に使われる造影剤や放射性のある薬、母乳の分泌を抑えてしまうような薬などは母乳育児中に服用してはいけないため、前もって、医師、薬剤師に確認することが大切です。
なお、薬をのむ場合、服薬後は母乳中に薬の量が多くなるため、薬をのむ前に授乳しましょう。