高齢者の長引く鼻水は?

老人性鼻漏の可能性も
老人性鼻漏とは、60歳代以上の高齢者に生じるサラサラで透明な鼻水が止まらない症状です。
これは、ラーメンを食べたときに、鼻水が出るのと基本的に同じ現象で、加齢に伴い鼻粘膜の機能が低下し、呼気が鼻腔内を通貨する際に本来は再呼吸されるべき水分が粘膜上に凝集し鼻汁となるために起こります。
しかし、アレルギー性鼻炎と診断され、漫然と抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬を処方されたり、自己判断で市販の風邪薬を長期間服用しているケースがあり、このような薬物療法は、効果がないばかりか副作用のリスクがあります。
老人性鼻漏の一番の特徴は、粘性が低下した水性の鼻汁ですが、くしゃみや鼻づまり、発熱を伴わないことです。加えて、朝起きた直後に鼻水があり、数回鼻をかむと落ち着くようです。
治療には薬ではなく、39~40℃程度に温めた生理食塩水を用いた朝晩の鼻洗浄や、鼻粘膜の温度を上げる効果がある足湯やマスクの着用などがすすめられます。