薬剤師デラチャンの医療機関の受け方『ワンポイントアドバイス』
現在、医療機関で出される薬のうち半分近くが捨てられていると言われています。 何故なのか、こんなに捨てられては医療財政を圧迫するのは当たり前ではないでしょうか?
飲めない・飲むつもりがない・残しておく・忘れる・飲む方法がわからない・捨てた・服薬指示量の半分にして服用等いろいろあると思います。 薬は健康への道具であって、健康へ歩むのは患者さん自身であります。 健康への道具を何も知らないで医療機関に任せ切りではありませんか。 この道具は有効期限・保管状態・症状の変化等により有害となることもあります。 是非、薬は薬剤師に一度相談されてください。
薬歴をご存じですか?あなたの今まで飲まれておられた服薬の歴史のことです。 かかりつけ薬局を決められ、薬歴管理されることにより、各種医療機関処方の薬の重複服薬を避けられる大きなメリットがあります。
また、医療機関を受診される際は必ずお薬手帳を持参し、症状を訴えられると同時に提示されることをお薦め致します。病状そのものが服薬から起因することもあり、高度な診断が医療機関から得られると思います。
もし、紛失等あれば、かかりつけ薬局の薬剤師にご相談下さいませ。
お薬の種類
飲み薬

○ 飲み薬はコップ一杯くらいの水またはぬるま湯で飲みます。
カプセルや錠剤は必ずプラスチック包装から出してお飲みください。
× ジュースや牛乳と一緒に飲んではいけません。
塗り薬

指先につけて薄くのばして塗るのがコツです。使用方法を守り正しく使いましょう。
特にステロイド系の塗り薬は必要な時に必要な量だけ必要な箇所に必要な期間使うことが肝心です。予防的な塗布は避けましょう。
※「くすり」を塗る前には手を綺麗に洗ってください。
目薬

容器の先が目やまぶた・まつ毛に触れないように一滴落とす。
※「くすり」を点眼したあと、目をこすらないようにします。
座薬

・先のとがった方を肛門にあてて坐剤を一気に入れます。
・入れたら、10秒ほどおさえておきます。
・1/2量の指示の時は“包装フィルムごと”、清潔なハサミ等で半分に切り、フィルムをはがし切り口の反対側から入れます。
お薬の諸注意
- 服用量、服用回数。服用時間は指示されたとおり守りましょう。
薬が正しく効果を現すためには、指示された用量、回数、時間を守らなければなりません。そうでないと効果が十分でなかったり、副作用が出たりすることがあります。指示されている服用時間は次の時間を目安としてください。
- 食前・・・・・・食事の前30分
- 食直後・・・・・食事のすぐ後に
- 食後・・・・・・食事の後30分以内
- 食間・・・・・・食事と食事の間、食後2~3時間後
- 就寝前・眠前・・寝る直前か、30~60分前
- その他・・・・・・『何時間ごとに』と指示された薬はその時間ごと
- 自分の判断で薬はかってに中止しないようにしましょう。
症状が軽くなっても、まだ病気が治りきっていないことがありますので、自分の判断で薬を中止せず必ず医師に相談してください。 - 薬のやりとりはしないようにしましょう。
似たような症状でもまったく違う病気であることがよくありますから、「この薬は効きますよ」と他の人にあげることは絶対やめましょう。 - 古い薬は飲まないようにしましょう。
前の病気時の薬がのこっているから、それを飲もうというのはよくありません。同じような症状でも違う病気であることがよくあります。 - 薬は正しく保管しましょう。
保管の指示(冷所)があるものはそのとおり(冷蔵庫等)保管するようにしましょう。特に保管の指示がないものは直射日光のあたらない、涼しい乾燥したところに保管するようにしてください。
お薬の正しい選び方

医師・薬剤師など専門家に相談しよう
薬局にはいろいろな種類の薬がならんでいます。同じ風邪の薬でも成分や剤形(カプセル、錠剤、液剤)など、さまざまな製品があります。
これらの医薬品には、法律によってメーカー名や薬の成分の名前、用法、用量を記載することになっています。表示をよく見て、自分に必要な薬を適切に選ぶことが大切です。 でも、たくさんの薬のなかから自分にあったものを選ぶのは大変です。薬は少量でも効果を発揮するだけに、症状に合わなかったり、アレルギーなどのために副作用に注意しなければならない成分を含んでいる場合もあります。
薬を効果的に、また安全に使用するために、医師・薬剤師などの専門家に気軽に相談しましょう。

表示がはっきりしないもの、包装の痛んだものは買わないようにしょう
医薬品の包装・容器にメーカー名や成分の名前などを記載してないものや、容器が痛んでいてこれらの表示が読めなかったりはっきりしないもの、封が切れているものは買わないようにしましょう。
お薬の正しい使い方

添付文書(能書)などをかならず読もう
添付文書(能書)などには、用法・用量・効能・効果などのほか、使用上の注意、副作用が記載してあります。 必ずよく読んでから使用する習慣を身につけましょう。

用法・用量を正しく守ろう
薬の作用は、使用量と深い関係があります。
ある量以下では作用が現われないし、ある量以上では有害な作用を生ずるおそれがあります。
定められたとおりの用法・用量をまもりましょう。

服用時間を守ろう
薬は、それぞれ定められた時間に飲まないと効果がなかったり、副作用を生じることがあります。
薬の服用についての指示のうち、食前、食後、食間とは次のようなことをいいます。
食前:胃の中に食べ物が入っていないとき。(食前1時間~30分)
食後:胃の中に食べ物が入っているとき。(食後30分以内)
食間:食事と食事の間のことで、たとえば朝食と昼食の間。
食事中に服用するということではありません。
服用時の注意を守ろう
副作用の発生を防いだり薬の効果を正しく発揮させるために多種多様の剤形があります。錠剤、カプセル剤などを服用するときは次のような注意を守りましょう。
錠剤・カプセル剤:胃では溶けず、腸ではじめて溶けて効くようにつけられたものがあります。むやみに噛んだりつぶしたりしてはいけません。乳幼児には原則として使用はしてはいけません。
液剤:主成分が沈んでいたりしますのでよく振ってから飲みましょう。薬を汚染する原因となるので、瓶に直接口をつけたり、飲むときに使ったスプーンを薬の入った容器に入れてはいけません。また、目薬の容器の口を直接目につけてはいけません。

併用をさけよう
薬を併用すると、お互いの作用が弱くなったり、強くなったりして期待する効果が得られないことがあります。
また、思わぬ副作用が現れたり、正確な診療のじゃまになることがあります。特に医師の指示で薬を使用しているときには、医師の了解を得ないで他の薬の使用をしてはいけません。
高齢者の薬の使用は特に注意しよう
お年寄りは、血圧の薬や心臓の薬など、薬を併せて使用することが多くなります。使用期間も長くなりがちです。また、お年寄りはどうしても肝臓、腎臓などの働きが弱くなっています。
したがって、お年寄りは、薬の使用量など特にその使い方に注意する必要があります。医師・薬剤師などの専門家から服薬指導を十分に受けて、正しく使いましょう。
お薬の正しい保管の仕方
医師にかかるまでの応急処置や自分で手当ができる場合など家庭常備薬は必要不可欠のものです。しかし、その保存について注意が不十分であると思わぬ事故のもととなります。次の注意を守りましょう。

乳幼児・小児の手の届かない所に保管しよう
最もこわいのは乳幼児・小児の誤飲です。
そのおそれのある場所に薬を放置しないように注意しましょう。不要の薬をすてるときも子供の目に触れないように処分することが大切です。

湿気、日光、高温をさけて保管しよう
薬は湿気、光、熱によって影響を受けやすいものです。せんを固くし、直射日光があたらず、暖房器具から離れた場所に保管しましょう。

薬以外のものと区別して保管しよう
誤用を避けるために、飲み薬とぬり薬は区別して保管しましょう。また、農薬、殺虫剤、防虫剤などと一緒に保管してはいけません。

他の容器への入れかえはやめよう
薬を使い古しの他の容器に入れかえることは、内容や使い方がわからなくなり、誤用や事故のもとになります。
古い薬の使用はやめよう
薬には有効期間が表示されているものがあります。期間を過ぎたものは捨てましょう。また、古い薬や外観に異常があるような薬については、使用前に医師・薬剤師に相談しましょう。
ジェネリック医薬品とは

新しく発見された成分や効き目などが国に認められた医薬品を「新医薬品」といいます。
多くの費用と年月をかけて開発された「新医薬品」は、開発した会社の特許が切れるまでは他の会社が同等のものをつくることはできません。
しかし、その特許が切れると、他の企業が製造販売することができるようになります。
このような薬を「後発医薬品」と呼び、「新医薬品」を「先発医薬品」と呼びます。後発医薬品は近年では『ジェネリック医薬品』と呼ぶようになりました。
先発医薬品(新薬)
日本で最初に発売される医薬品で、発売後一定の独占販売期間が認められています。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)
先発医薬品の特許期間満了後に同じ成分で製造販売される医薬品です。先発医薬品の後から発売されますので、「後発医薬品」とも呼ばれています。
先発医薬品(新薬)の開発には、9~17年程度の長い期間と数百億円もの投資が必要といわれておりますが、ジェネリック医薬品の開発には、期間が新薬ほどかからず、費用も少なくすむため、薬の価格も安くなっています。

「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」は「先発医薬品」に比べて、患者さんの自己負担額が軽減されることもありますので、「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」を希望される場合は医師または、お近くのキクヤ調剤薬局にお気軽にご相談ください。
調剤薬局利用の際に
処方せんには期限があります
処方せんには、交付日を含めて原則4日以内という期限が存在します。例外として、医師より有効期限を指定されている処方せんは、記載されている有効期限内なら大丈夫です。
お薬手帳活用のススメ
- お薬手帳は一冊にまとめましょう!
服用薬の記載漏れなどを防ぎ、より正確な記録になります。 - 医療機関へ行くときは必ず携帯を!
基本情報がすぐに伝わり、的確な治療の手助けになります。 - 一般用医薬品(市販薬)やサプリメントを買うときも大事!
薬剤師が適切なアドバイスをする参考になります。 - アレルギーや副作用歴は必ず記録を!
副作用のリスクを未然に防ぐことができます。
【お薬手帳の活用方法についての詳しくはこちらをご覧ください。】
医薬品副作用被害救済制度

医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防げない場合があります。そこで、医薬品(病院・診療所で処方されたものの他、薬局等で購入したものも含みます)を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほどの重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が、医薬品副作用被害救済制度です。
いざという時のために、あなたもぜひ覚えておいてください。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構
救済制度相談窓口 TEL:0120-149-931(受付時間9:00~17:00 土日祝日休)
〒100-0013 東京都千代田区霞ヶ関3-3-2 新霞ヶ関ビル